●アイ・アム・レジェンド2007 / 12 / 25 ( Tue ) No. 91
I Am Legend
観た日 2007-12-19 2013年、癌征圧のために開発されたクリピン・ウィルス。救世主となるはずのそのウィルスが突然変異を起こし、キラー・ウィルスとなって人類に襲いかかった。感染者は脳に異常をきたし凶暴化、確実に死に至る。感染源であるニューヨークは封鎖され、人々はパニックと絶望の中、取り残される。3年後、マンハッタンから人間の姿は消滅、動物園から逃げ出した鹿やライオンがサバンナのように行き交っていた。ただ1人、免疫を持っていたため生き残ったウィルス研究者ロバート・ネビル(ウィル・スミス)は相棒であるシェパード、サムとともに孤独なサバイバル生活を続けながら、人類の希望となるはずのワクチン開発に取り組んでいた。 冒頭の、巨大なゴーストタウンと化したニューヨークの風景が素晴らしかった。ワシントン・スクエア、ブロードウェイ、タイムズ・スクエア。シュール!この風景には感動すら覚えてしまった。しかしあとはウィル・スミスを見る映画であって、ストーリーは先細りの尻すぼみで、あっけに取られるような結末の安易さ。これだけの道具立てでこれだけ?という感じ。広げた風呂敷が大きすぎた。 キラー・ウィルスに感染し発症した人間が凶暴なゾンビのようになって同類を襲う、というのは『28日後』とそっくり。ワクチン開発の経過もスジが読めてしまうし、途中からネビルの他に生存者がいるとわかるのだが、彼らのキャラクターも生かされず、ただのコマ合わせでつまらなかった。 さらに気になるディテイルの矛盾。たとえば封鎖されたマンハッタンでほぼ死に絶えたはずの人間の、その屍が一つもないのだ。埋葬はされたのか?何万という人間をどうやって?放置されたのならその残骸がストリートにもあふれているはずだ。ゾンビと化した人間にすべて食い尽くされてしまったのか、腐食の気配すらない。ネビルの背景にはキラー・ウィルスに侵され死んでいった何百万という人間の叫びがあるはずなのに、それが聞こえてこない。ネビルがそれを意識的に遮断し、ステルスの翼の上でゴルフの打ちっぱなしをやることで、自分の理性をかろうじて保っているのだ、という解釈もあるだろうが・・・。 人っ子一人いないマンハッタンにバーチャル・ツアーをするような感覚を楽しめばそれでいいのかもしれない。いや、コンピュータ・ゲームの世界だ。ゾンビとのサバイバル・ゲーム。 ****** 原作はリチャード・マティスンRichard Matheson『地球最後の男』(I Am Legend)。今回が3度目の映画化。最初はヴィンセント・プライス主演で「地球最後の男」('64)、続いてチャールトン・ヘストンで「オメガマン」('71)。
category : [Films] Screen 2007
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